SVダブルS1最終23位 Together2023

はじめに

新年あけましておめでとうございます。年末年始はコミケに行って駅伝を見てと趣味で忙しい(?)感じで過ごしてました、渚沙です。

今回は自分がシーズン1と第3回てるオフで使用したイルカマン軸の構築記事になります。


使用TN:さなみ(23位)、ゆりこ(48位)
レンタル公開してます(←今はしてません)。なおS1ではカイリューはドラクロ→逆鱗で、配分はレンタルのものはAS252H4、S1ではH252A244BDS4振りで使用。第3回てるオフでも同じ並びを使用してベスト8でした。

構築コンセプト

・ジェットパンチで吹っ飛ばしてけ、ヘイラッシャにはくろいきりして
・取れる選択肢を増やして無理やり勝ち筋を作る

構築経緯

・軸

LCSの配信に映っていたみずみさんのペリイルカを見てイルカマンの数値と高火力の先制技でスイープする動きが強そうだったこと、そして黒い霧を自然に採用できることから、+2ヘイラッシャを確実に1ターン止めることができるバコウバレルと組み合わせることで、環境に最も多いかつパワーの高い並びの1つである、司令塔シャリタツ+ヘイラッシャ(以下寿司)の比較的安定した対策になる点が魅力的だったので構築の軸としました。2体がかりで対策することで草テラス(テラバーストなしに限りますがS1終盤は殆ど見ませんでした)や身代わりにも対応できていい感じでした。

しかし、イルカマンは基本的に一度場に出してから交代をする必要があり、仮にナイーブ状態で居座ったとしてもあまり強く動かすことができないという特性を持っています。そのため、

①選出する場合は初手投げを強要されるので選出を合わせられる。
②初手の交代が読みやすく相手はそこに合わせて裏に通る技を押す、放置して隣に集中するなど比較的自由に行動できる(仮にイルカマンが居座ったとしても1.5体vs2体のような形で戦うことになる)。

イルカマンを引くまでの動きが弱くなってしまうことが気になりました。

そこで、ナイーブ状態での強い動きを作ることと最低限サイクルができるポケモンで固めつつ(引きの選択肢を増やすことにも繋がる)、ナイーブと並ぶことを考えて単体性能の高いポケモンで固めることを念頭において構築を組みました。結果的には綺麗に安定行動で勝てることはあまりなく、構築の完成度としては微妙と言わざるを得ませんが多様な動きができるようになりプレイングと択の噛み合い次第で勝ちを追いやすい、そしてパワーが高く序盤で取られたアドバンテージをひっくり返しやすい構築になりました。

ナイーブ状態での強い動きとしてはジェットパンチ+何かで1体倒すという動きが理想だと思ったので、ジェットパンチ+蜻蛉返りで初手に出てきやすいマスカーニャを倒せて攻撃性能も十分なスカーフマスカーニャを3体目に採用しました(ダブルバトルのS1ではスカーフマスカーニャは殆どいなかったと思います)。他にもドラパルト、タイカイデン、ゲンガーなど採用率が高くはないが、実際に相手すると仕事をされやすいポケモンにも襷までケアして同じ動きができ、相手のスカーフにも展開を邪魔されない点が偉いです。

・補完
タイプや耐久の高さでサイクル参加ができ、イルカと初手で並べても一方的な展開にさせにくい要素(全体技、引けない状況でも確実に行動して裏につなげる高火力先制技)を持つポケモンで固めました。

補完としてはまず初手のこちらの盤面が弱い状態で雑に全体技を撃たれるとキツいサーフゴー、ニンフィアに対して1回引けて攻めに転じることができる枠としてそれぞれドドゲザンサーフゴーを採用しました。この2体はマスカーニャに守ると襷がないため誤魔化せないトリックルームパーティに対して仕事ができ、受からないカイリューに対しても最低限撃ち合えるところが嚙み合っていると感じました。


最後にバレルを素早く処理できるポケモンが欲しいことに加え、炎の一貫がすさまじかったためウルガモスウインディ、グレンアルマと撃ち合えて神速がコンセプトとも嚙み合っていた飛行テラバースト持ちのハチマキカイリューを採用して構築が完成しました。

長々と書きましたが実際にはみずみさんの原案()をそのままパクることから始めて何匹か入れ替えながらこの形に落ち着きました。

個別解説


イルカマン@しんぴのしずく
テラスタイプ:水
特性:マイティチェンジ
性格:意地っ張り
実数値:
ヒーロー 190(116)-233(252+)-118(4)-×-108(4)-137(132)
ナイーブ 190-134-93-×-83-137
技:ジェットパンチ ウェーブタックル 守る 黒い霧
A:特化
S:準速サーフゴー抜き

この構築の軸。ハチマキやスカーフでクイックターンをする型が環境に存在することから初手イルカマン交代を咎める集中攻撃をされることが多く、そこにリスクを付けられる守るが欲しかったことと寿司に対して黒い霧で拘りたくなかったのでしずくで採用しました。

使用感としても火力は十分で、逆にサイクルしやすくなる守るが採用できたり攻撃技の打ち分けができる恩恵が大きかったです。テラスタイプはその攻撃性能を活かすため水で採用しました。変身前でも水テラスを切りながらであれば突っ込めるという場面が多く選択肢が広がるかつジェットパンチのおかげで早めに切ってしまっても弱くないテラスになっています。

配分はジェットパンチ連打を基本の動きとしつつもウェーブタックルでワンパンする動きができるに越したことはないのでHAベースで気持ちSに振っています。


マスカーニャこだわりスカーフ
テラスタイプ:草
特性:変幻自在
性格:意地っ張り
実数値:155(28)-165(156+)-104(108)-×-91(4)-170(212)
技:トリックフラワー 叩き落とす 蜻蛉返り けたぐり
H-B:特化カイリューのノマテラ神速最高乱数以外耐え
A:11n
S:最速ガブリアス、+2準速グレンアルマ抜き

スカーフマスカーニャが環境にほぼいないためSを削って耐久に回した、いわゆる信用可能マスカーニャです。ここまで速いと準速の+2グレンアルマや雨下すいすいカジリガメを抜くことができ、S操作がないこのパーティにおいてこれらを上から処理できるポケモンとして重宝しました。ドラパルトとの差別化点は不意打ち耐性と特性による技威力の差と範囲の広さで、トリックフラワーでヘイラッシャにテラスを強要、叩きは無振りサーフゴーが乱数1発、けたぐりでH振りドドゲザンとサザンドラが確定1発と火力アップアイテムを持たずとも十分な火力が出せます。

上記の火力とタイプ変更による場持ちの良さを評価して特性は変幻自在です。テラスは特に考えずに草にしました。火力の底上げができ、バレルの粉、胞子を無視できる点が強かったです。てるオフではゴーストで使いましたが猫トリルにテンポを取ることができたりドレパン神速を透かせたりとこちらもなかなか良かったです。

役割を考えるともっとSを伸ばすべきなのですが持ち物なしドドゲザンのアイへ+ふいうちを確定で耐えるなどなんかミリ耐えが多かったこと、環境にあまりガブより速いスカーフや準速より速いグレンアルマがいなかったことから現実での勝率を考えてこの配分を使いました。


サーフゴー@命の珠
テラスタイプ:水
特性:おうごんのからだ
性格:臆病
実数値:171(68)-×-116(4)-185(252)-112(4)-139(180+)
技:ゴールドラッシュ シャドーボール  テラバースト 守る
H-B:マスカーニャの叩きの乱数が変わるところまで(31.2%)
C:振り切り
S:準速サーフゴー抜きのコノヨザル意識
書いてて思ったけど珠だし169にしてBに回したほうが良かったのでは?

ニンフィアとバレルに耐性があるのが偉くて採用しました。トリックルームに対して初動で負荷をかけられたりフレガイッカネズミ系統に対して頑張ってもらいました。

パーティ内での特殊打点がサーフゴーしかなかったので物理での突破が困難そうなポケモンが見えたときには無理にでも出す枠として最低限の耐久と素早さがあったのも高評価です。

型はトリックルームに投げることがある以上守りたい、イッカネズミ系統、特にコノヨザルイッカネズミに対しては火力upアイテムがないと厳しいということで命の珠での採用です。

テラバーストはコノヨザルイッカネズミにバレルがいるとイルカマンが出しづらいため、炎コノヨに対する最大打点として採用しましたが、テラスタルの競合が多いパーティで、他にもパワージェムや悪だくみなど欲しい技はたくさんあるため要検討枠です。イルカマンに実質的に処理を一任しているドドゲザンへの打点になりうるのは偉かったです。

配分はコノヨザルを意識したものであまりミラーにもコノヨザルにもSは負けなかったので振り切るよりは陽気マスカーニャの叩きの乱数をずらす方を選びました。ここのSラインはどんどん上がっていくと思うので付け焼き刃での対策感は否めません。


ドドゲザン@ラムのみ
テラスタイプ:フェアリー
特性:負けん気
性格:意地っ張り
実数値:195(156)-205(252+)-141(4)-72(-)-117(92)-71(4)
技:ドゲザン ふいうち テラバースト 守る
A:特化
H-D:サーフゴーのダブルダメ特化眼鏡鋼テラスゴールドラッシュが乱数2発(31.2%)

サーフゴーに有利めかつふいうちと高耐久のお陰で対面性能も高いという点を評価しました。

チョッキを持てばサーフゴーに安定するだけでなくテラス次第ではグレンアルマにまで勝てるようになるほどの凄さがありますが、適切にふいうちを当てる必要があることと動きの選択肢を広げる守るはコンセプト的にもなるべく採用したいこと、単体技、それも先制技が中心のパーティなのでモロバレルがキツいことからラムのみを持たせました。防塵ゴーグルでないのはウインディに無理やり合わせる必要がある場面が少なくないからです。

技は一致のアイへを切ってテラバーストを採用しています。

フェアリーテラバーストはドラゴン(ガブサザンカイリュー)の処理速度を速める必要があると感じたため採用しました。これらのポケモンドドゲザンが一回テラスを切って受けるのみでは全体のダメージレースで負けてしまうためです。

次にアイへ切りの理由ですが主にアイへを撃ちたい相手としてニンフィアが挙げられます。ニンフィアはこちらがチョッキではないのでできれば相手したくない、ニンフィア視点はリリバを持って耐えられるかテラスタルを切りながらでないと動かしにくいことから、威力が5高くサーフゴーへの安定打点であるドゲザンの方を採用しました。

マスカーニャやオーロンゲにあれば撃ちたいと思うことはありましたがドゲザンとテラバーストの方が構築における優先度が高いかつ強いと思います。更に言うとアイへよりはけたぐりの方が勝ちに繋がるのかなという感じです。

配分はふいうちの威力の低さを補い、テラスジェットパンチと重ねたときにガブリアスくらいの耐久ラインのポケモンが落ちるかどうかに響くことが多いのでA特化が必須で、後はサーフゴーに出すからD振りたいけどBも大事だよねということでH高めで適当に振り分けました。


カイリュー@こだわりハチマキ
テラスタイプ:飛行
特性:マルチスケイル
性格:意地っ張り
実数値:197(244)-204(252+)-116(4)-108(-)-121(4)-101(4)
技:ドラゴンクロー(逆鱗) テラバースト 神速 地震
思考停止でHA

雰囲気で採用を決めたら火力バカすぎてめっちゃ強かったって感じなので正直あまり書くことがないです。

最初はイエッサングレンアルマに有効かつ悪巧みがないサーフゴーにも不利を取らないアイススピナーと対鋼打点を採用したチョッキ型で使う予定でしたが、試してみるとこれらに対してカイリューのチョッキが勝敗に関わることがほぼなかったので重いバレルの処理が早く構築のパワーが高くなる飛行テラバーストのハチマキ型で採用しました。

技は神速テラバまでは確定で残りは選択肢が多いですが、サーフゴーへの打点かつ粉指を無視できる地震は優先度高めで残りはサイコフィールド下でも雑に撃てるドラクロで使うつもりでした。しかし、実際にはドラクロの技マシンが無かったため逆鱗で使用しました。ラス1対面では無類の強さがありどちらに飛んでも嬉しい状況で撃つ逆鱗は面白いと思いましたが、一度撃つと引けないデメリットが目立ちました。

いずれにしても追い風or指+鋼テラゴールドラッシュを考えると鋼サーフゴーへの打点は必要な気はします。

ハチマキカイリューといえば神速連打という固定観念からHAで使いましたが、実際にはテラバーストが凄くて連打することがそこそこあったことに加え、相手のカイリューが受からないのでカイリューミラーを考えてSを調整するべきだったような気はします。


モロバレル@バコウのみ
テラスタイプ:悪
特性:再生力
性格:図太い
実数値:221(252)-×-124(180+)-105-110(76)-50
技:花粉団子 キノコの胞子 怒りの粉 守る
調整:意図は忘れましたがガブリアス、ドドゲザン、マスカーニャ辺りの技を受けるクッションにしたかったのでHBベース

対寿司においてバレルで眠らせながらイルカ着地→黒い霧の流れが比較的有効でクッションとしても問題なく選出できる点を評価しての採用です。

寿司は変身後のイルカマンも特化ヘイラッシャの+2等倍テラバーストまでは耐えることができるので、合体された場合はこのように2体でみることで草テラスかつテラバースト持ちと地割れ以外には基本的に後出しで対応可能になります(実際には終盤カイリュー入りの寿司が増えてカイリューに荒らされて負けてました)。

対トリルの一端を担うためにテラスはワイドフォースと悪戯挑発を無効化する悪としました。

技は対寿司で特に霧を撃ったあとに盤面を整えるために必要かつ汎用性のある花粉団子と胞子が確定で霧と役割が被るクリスモを抜いて怒りの粉と守るを採用しました。

イルカマンの展開をスムーズにできそうな脱出パック+リーフストーム型や、ドドゲザンへの打点不足を解消するための達人の帯+格闘テラバースト型も試しましたが、先述の通り寿司への勝率を上げることが大事なのとカイリューの増加を考慮してバコウを持たせた型に落ち着きました。

基本選出

初手+何か
後発+何か
寿司やその他イルカを投げるときの選出は基本的にこの形になります。逆にイエッサン、ゴチルゼルのいずれかがいる場合は基本的にイルカマン以外からの選出になります。
イルカマンを投げる場合は相手の初手を見て、

①イルカ方向に裏(バレル)まで通る技で集中してきそう→イルカ守る
②隣狙ってきそう→イルカ交代
③アド取れそうorヤバい→場合によっては水テラス切りながらジェットパンチやウェーブタックルで突っ込む

のどれかから試合を始めます。あとは流れで攻めサイクルをします。テラスは変身後のイルカに残せば残すほど強いですが、他には雑にカイリューに切ってテラバースト連打、ドドゲザンに切って耐性変えるの3つが特に強力な使い方です。イルカマンの特性上打開性能が高いので、目先のアドに囚われず最後まで勝ち筋を探すことで拾える試合が多いのが特徴です。

終わりに

S1はイルカマンと走り切ろうと思っていたので、ランクマとオフの両方でそれなりの結果が出せて嬉しいです。どちらもイルカマン全1はカエールさんに取られてしまいましたが、、、

大流行中のカイリューウルガモスが受からず、コノヨの高速化に伴いコノヨイッカにもかなり不利を取ることが予想されるのでこのままの形で勝ち続けることは難しいと思いますが使ってて楽しい構築でした。ここまで読んでくださりありがとうございました!

Q.呼び水シャリタツどうするの? A.降参します。